神決定戦の思い出(vs松田神編②)
2018年9月6日 MTG雑感需要はないかもしれませんが、忘れないために。クッソ長文です
自分が実力不相応にも出場してきた2回の神決定戦、前回は1戦目の松田さんとの戦いのことについて振り返ってきましたが、「自分なりに考えて親和を選んで擦りまくったよ!」というところで終わっていました。
んでは後編をつらつらと。
③衝撃の禁止改定、直前デッキ変更の悲劇
2月12日、全モダンプレイヤーを驚愕させたとある事件が起こりました。
「精神を刻む者、ジェイス」「血編み髪のエルフ」解禁告知。2月19日より解禁(神決定戦は2月24日)
多くのプレイヤーが環境の今後に不安を覚えたはずです。しかし、私が受けた衝撃はおそらく人並み以上に大きいものでした。
ジェイスの解禁はそれまでもそこそこ強力であった青中心のフェアデッキのさらなる強化を意味します。そして、青白コントロールは元々リビングエンドに相性の良いデッキです。さらに、派手好きの印象もある神松田に神ジェイスという選択岐が加わる符号。否が応でも青系コントロールの影が脳裏をよぎります。
「親和は青コンに分が悪い。これでは、準備してきた親和は使えない。」
本番約10日前に3週間以上練習してきた親和を諦めなければならないという苦渋の選択。しかも新しいデッキを選んだところで1週間と少ししか練習できません。現実のカードも借りるなりして新たに準備しなければいけません。
親和という選択にかなりの自信を持っていただけに嫌になりかけましたが、翌日には頭を冷やして考え方の切り替えを図りました。
具体的に言うと、それまでエルドラージトロンとバーンを中心に据えてきたデッキ予想からエルドラージトロンの配分を下げ、青コントロールとバーンを中心と変更しました。そうやって考えた結果、青コントロールとバーンに相性が良く、1週間で下手くその自分でもある程度仕上がりそうなデッキということで2つのデッキが候補に挙がりました。
それは、アドグレイスと呪禁オーラです。
両方ともそこそこMOで回した結果、ドローや占術の微妙な感覚が必要となったアドグレイスはボツに。松田神の第3候補以降のデッキ(人間やホロウワン)との相性の兼ね合いや、直前のgpで優勝していたという裏付けもあり、最終的に呪禁オーラに神殺しが託されることとなったのでした。呪禁オーラというブレの激しいデッキを使うことで松田さんとの実力差を埋める、という狙いもありました。(ここで本番1週間前)
ただ、呪禁オーラといえば、デッキに8枚しか入っていない呪禁クリーチャーが初手に来なかった場合著しくデッキパワーが下がる、超絶不安定なデッキです。ハマれば強いですが、素のデッキパワーはそこまで高くはないです。自分もさんざんおみくじ、運ゲーと馬鹿にしてきたデッキでしたが、この大勝負でまさか握ることになるとは思いませんでした。
しかし、もう握ると決めたからには強いも弱いもありません。最後の1週間で50マッチほど回し、仲間と調整回も行って本番に備えました。
④第10期神決定戦
前日にマジッカーズのFNMに出て激励の言葉をもらい、不安を抱えながらも本番に挑みました。
会場に着いたあとは晴れる屋スタッフやプロプレイヤー、競合プレイヤーが集まり談笑している控室の雰囲気にかなり押されましたが、試合前インタビューで話してある程度落ち着くことが出来ました。
そしていよいよ本番の試合が始まります。相手は圧倒的格上で、こちらはモダン以外のMTGを知らない基礎力0のカジュアルプレイヤーです。しかし、この試合のために1ヶ月以上準備してきましたことを考えると負けるわけにはいけません。
以下、試合を振り返ります。
1ゲーム目、松田さんが明日からの探索を待機した瞬間にデッキ選択で有利を取れたことが分かり、安堵しました。ゲームの方も踊り手が順調に成長し4キルしました。
2ゲーム目、2t目は踊り手でも良かったのですが、メインの全体火力をケアして、オーラ2枚から展開。結果的にこのスピードロスが仇となり1t差で敗北…。
この時点ではまだなんとか平常心でした。
問題の3ゲーム目。
力線、土地、ボーグルという最高のスタートを切り、「勝った!」と思いました。しかし、その後のドローでオーラが全く引けず暗雲が立ち込め始めるとベイロスによってボーグルがストップ。さらに、再利用の賢者で力線を割られ、あっという間に風景の変容につながれ敗北。
3ゲーム目を落とした瞬間は「これが現実か…」とうなだれました。頭も真っ白になり、気持ちが一瞬切れ、集中力も落ちました。
半ばあきらめムードで始めた4ゲーム目、幸運にも松田神がダブルマリガンでスタートし、こちらの踊り手が順調に成長するという理想的な展開となりました。
しかし、最後の最後で大ポカをやらかします。
「ガドックが場に出ている状態で力線をキャスト。」
やってしまった!と思いました。風景の変容をトップされたら自分のポカのせいで負け。という心臓が止まりそうな瞬間を乗り越え、なんとかこのゲームを取り、最終戦に持ち込むことが出来ました。
そして、泣いても笑ってもこれが最後という5ゲーム目。
始まり方は最悪でした。本命の踊り手が稲妻で綺麗に焼かれ、こちらの手札にはクリーチャーはなし。
「ああ、ここまでよくやったな。フルゲームになっただけよくやったよ。惜しかった。」
踊り手が焼かれた瞬間はそんな気持ちでいっぱいになりました。
せめて、死ぬまで投了せずしっかり続けよう。そう考えながら引いた3ターン目のドローが…
林間隠れの斥候。
「まだ、行ける。いや、勝てる!」
そう思い斥候を繰り出し形成は逆転。力線を抱えながら4枚目の土地をトップした瞬間に勝利を確信しました。
最後の握手の瞬間には胸が熱くなりました。
試合後のインタビューに答えている時、第9期の挑戦者決定戦で6-0からミスも絡んで2連敗してtop8を逃し非常に悔しい思いをした時のことを思い出して、今までやってきてよかったな。と心の底から思いました。
⑤おわり
この試合についての振り返りは以上です。
直前での神ジェイス解禁からのデッキ変更、試合中の忘れられないミスや、劇的なトップデッキ…
他の人からすればオーラが相性通りにヴァラを倒したただのつまらない試合だったかもしれませんが、私にとっては準備段階から含めて非常に思い出深い試合となりました。
実力に関しては、間違いなく松田さんの方が圧倒的に上でした。それでも勝つことができたのは、自分が下手くそなりにこれまでMTGをそこそこ真面目にやってきたことへのご褒美だったのかなと思っています。
クソ長文ですし、内容全部自分語りのクソ記事ですが、ここまで読んでくれた方ありがとうございました。
またいつか小田さんとの試合のことについて書きますか。また、暇でエネルギーがあるときに。ちょっといつになるか分かりましぇんが
自分が実力不相応にも出場してきた2回の神決定戦、前回は1戦目の松田さんとの戦いのことについて振り返ってきましたが、「自分なりに考えて親和を選んで擦りまくったよ!」というところで終わっていました。
んでは後編をつらつらと。
③衝撃の禁止改定、直前デッキ変更の悲劇
2月12日、全モダンプレイヤーを驚愕させたとある事件が起こりました。
「精神を刻む者、ジェイス」「血編み髪のエルフ」解禁告知。2月19日より解禁(神決定戦は2月24日)
多くのプレイヤーが環境の今後に不安を覚えたはずです。しかし、私が受けた衝撃はおそらく人並み以上に大きいものでした。
ジェイスの解禁はそれまでもそこそこ強力であった青中心のフェアデッキのさらなる強化を意味します。そして、青白コントロールは元々リビングエンドに相性の良いデッキです。さらに、派手好きの印象もある神松田に神ジェイスという選択岐が加わる符号。否が応でも青系コントロールの影が脳裏をよぎります。
「親和は青コンに分が悪い。これでは、準備してきた親和は使えない。」
本番約10日前に3週間以上練習してきた親和を諦めなければならないという苦渋の選択。しかも新しいデッキを選んだところで1週間と少ししか練習できません。現実のカードも借りるなりして新たに準備しなければいけません。
親和という選択にかなりの自信を持っていただけに嫌になりかけましたが、翌日には頭を冷やして考え方の切り替えを図りました。
具体的に言うと、それまでエルドラージトロンとバーンを中心に据えてきたデッキ予想からエルドラージトロンの配分を下げ、青コントロールとバーンを中心と変更しました。そうやって考えた結果、青コントロールとバーンに相性が良く、1週間で下手くその自分でもある程度仕上がりそうなデッキということで2つのデッキが候補に挙がりました。
それは、アドグレイスと呪禁オーラです。
両方ともそこそこMOで回した結果、ドローや占術の微妙な感覚が必要となったアドグレイスはボツに。松田神の第3候補以降のデッキ(人間やホロウワン)との相性の兼ね合いや、直前のgpで優勝していたという裏付けもあり、最終的に呪禁オーラに神殺しが託されることとなったのでした。呪禁オーラというブレの激しいデッキを使うことで松田さんとの実力差を埋める、という狙いもありました。(ここで本番1週間前)
ただ、呪禁オーラといえば、デッキに8枚しか入っていない呪禁クリーチャーが初手に来なかった場合著しくデッキパワーが下がる、超絶不安定なデッキです。ハマれば強いですが、素のデッキパワーはそこまで高くはないです。自分もさんざんおみくじ、運ゲーと馬鹿にしてきたデッキでしたが、この大勝負でまさか握ることになるとは思いませんでした。
しかし、もう握ると決めたからには強いも弱いもありません。最後の1週間で50マッチほど回し、仲間と調整回も行って本番に備えました。
④第10期神決定戦
前日にマジッカーズのFNMに出て激励の言葉をもらい、不安を抱えながらも本番に挑みました。
会場に着いたあとは晴れる屋スタッフやプロプレイヤー、競合プレイヤーが集まり談笑している控室の雰囲気にかなり押されましたが、試合前インタビューで話してある程度落ち着くことが出来ました。
そしていよいよ本番の試合が始まります。相手は圧倒的格上で、こちらはモダン以外のMTGを知らない基礎力0のカジュアルプレイヤーです。しかし、この試合のために1ヶ月以上準備してきましたことを考えると負けるわけにはいけません。
以下、試合を振り返ります。
1ゲーム目、松田さんが明日からの探索を待機した瞬間にデッキ選択で有利を取れたことが分かり、安堵しました。ゲームの方も踊り手が順調に成長し4キルしました。
2ゲーム目、2t目は踊り手でも良かったのですが、メインの全体火力をケアして、オーラ2枚から展開。結果的にこのスピードロスが仇となり1t差で敗北…。
この時点ではまだなんとか平常心でした。
問題の3ゲーム目。
力線、土地、ボーグルという最高のスタートを切り、「勝った!」と思いました。しかし、その後のドローでオーラが全く引けず暗雲が立ち込め始めるとベイロスによってボーグルがストップ。さらに、再利用の賢者で力線を割られ、あっという間に風景の変容につながれ敗北。
3ゲーム目を落とした瞬間は「これが現実か…」とうなだれました。頭も真っ白になり、気持ちが一瞬切れ、集中力も落ちました。
半ばあきらめムードで始めた4ゲーム目、幸運にも松田神がダブルマリガンでスタートし、こちらの踊り手が順調に成長するという理想的な展開となりました。
しかし、最後の最後で大ポカをやらかします。
「ガドックが場に出ている状態で力線をキャスト。」
やってしまった!と思いました。風景の変容をトップされたら自分のポカのせいで負け。という心臓が止まりそうな瞬間を乗り越え、なんとかこのゲームを取り、最終戦に持ち込むことが出来ました。
そして、泣いても笑ってもこれが最後という5ゲーム目。
始まり方は最悪でした。本命の踊り手が稲妻で綺麗に焼かれ、こちらの手札にはクリーチャーはなし。
「ああ、ここまでよくやったな。フルゲームになっただけよくやったよ。惜しかった。」
踊り手が焼かれた瞬間はそんな気持ちでいっぱいになりました。
せめて、死ぬまで投了せずしっかり続けよう。そう考えながら引いた3ターン目のドローが…
林間隠れの斥候。
「まだ、行ける。いや、勝てる!」
そう思い斥候を繰り出し形成は逆転。力線を抱えながら4枚目の土地をトップした瞬間に勝利を確信しました。
最後の握手の瞬間には胸が熱くなりました。
試合後のインタビューに答えている時、第9期の挑戦者決定戦で6-0からミスも絡んで2連敗してtop8を逃し非常に悔しい思いをした時のことを思い出して、今までやってきてよかったな。と心の底から思いました。
⑤おわり
この試合についての振り返りは以上です。
直前での神ジェイス解禁からのデッキ変更、試合中の忘れられないミスや、劇的なトップデッキ…
他の人からすればオーラが相性通りにヴァラを倒したただのつまらない試合だったかもしれませんが、私にとっては準備段階から含めて非常に思い出深い試合となりました。
実力に関しては、間違いなく松田さんの方が圧倒的に上でした。それでも勝つことができたのは、自分が下手くそなりにこれまでMTGをそこそこ真面目にやってきたことへのご褒美だったのかなと思っています。
クソ長文ですし、内容全部自分語りのクソ記事ですが、ここまで読んでくれた方ありがとうございました。
またいつか小田さんとの試合のことについて書きますか。また、暇でエネルギーがあるときに。ちょっといつになるか分かりましぇんが
コメント